「森のようちえん あぺるい」を始めてから、丸6年が経ちました。
“子どもたちの心から湧き上がる想いを大切にしたい”
“自然の中で思い切り遊んで欲しい”
そんな想いで立ち上げたのは、次男が1歳の時。
それから6年の間に3人目の妊娠出産がありながらも、素敵なお母さんたちに助けてもらいながら、これまで続けてきました。
立ち上げ当初、想いに共感してくれた友達の子1人と次男の2人だけだったのが、少しずつ子どもが増え、一緒に活動するお母さんスタッフが増え、前年度は13人の子どもたちと、4人のお母さんスタッフ、2人のお母さんボランティアの方と一緒に活動してきました。
来年度はより充実した場所にしていこう、スタッフでそんな話し合いをしていた6年目の終わり間際の2月末。
新型コロナによる、全国一斉休校・・・
スタッフで迷いに迷いましたが、休園することにしました。
まだ、どこの園も通常営業しているタイミングでの判断でした。
これまで子どもを通わせてくださっていたご家庭には、申し訳ない気持ちでいっぱいで、本当にいいのだろうか・・・と悩みました。
でも、感染に怯えながら、心のどこかで感染の可能性を疑いながら、お金をいただいて子どもたちをお預かりすること、また何よりも、心置きなく子どもたちとのスキンシップができない状況で活動することは、できませんでした。
そして、スタッフもそれぞれ1人の母親。
自分の家族を守るための決断でもありました。
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活動をお休みしている間に、いろいろと考えました。
今後また、いつ経済活動がストップするか分からない。
そんな時代に、今目の前にいる子どもたちが将来不安なく楽しく生きていくために、私たち大人が伝えていけることはなんだろう・・・
私たちがこの状況下で一番不安に感じていることは、命の危険性はもちろんですが、経済活動がストップしたことで、お金が入らないことだと思います。
「お金が入らない=暮らしが成り立たない」
それが常識の中にいると、今の状況が不安なのは当然です。
でももし、お金がなくても暮らしが成り立ったら??
これは決して、お金が必要ない、と言っているのではありません。
お金がないと成り立たない、と思っていた暮らしの何か1つでも、ノーマネーにできないか、ということです。
かつて日本は・・・というより世界中の人たちは、お金が誕生する以前は、食べ物を作ったり、自然からいただいたりしながら、物々交換や労働交換で地域の人たちと協力して暮らしてきました。
子どもたちは、そんな大人の暮らしを側で感じながら、時に手伝いながら、子ども同士で遊びながら学んでいました。
世界中に目を向ければ、今でもそのように暮らしている人たちはたくさんいます。
でも、日本のような経済優先の国では、食べ物を作ったり、人と協力したりすることをやめ、それらすべてをお金でやり取りするようになりました。
その結果、「お金がないと暮らしが成り立たない」という考えが当たり前になりました。
そんな中で起きた、コロナ騒動。
一番頼りにしていたお金が回らなくなり、本当に暮らしが成り立たない、生きていけない、という不安が今日本中、世界中の人々を襲っています。
それなのに、こんな状況下にあっても、私たち家族はあまり不安がありませんでした。
なぜなら、昨年作ったお米があり、家の外に出れば畑で野菜が実り、休校になった子どもたちが遊ぶのに充分な庭と屋久島の大自然、そして、信頼して子どもを預け合えるつながりがあったからです。
その安心材料を得るために必要だったのは、お金ではなく、自然とのつながり、人とのつながりでした。
その時に、「森のようちえん」という形でお金をいただいて子どもを預かることは、
これからの時代、持続可能なのかな?
大人が子どもに伝えていく生き方は、お金で成り立つ暮らしなのかな?
と思うようになりました。
大人が協力して暮らしに必要なものを作っている側で、子どもは自由に遊びながらも、自然とのつながり、人とのつながりを大切にした生き方を大人の姿から学んでいく。
それがこれからの時代を生きていくために必要なんじゃないか、と思ったのです。
それは、核家族が大半の今の時代、昔のように共同生活に戻るということではなくて、個々のプライベートを尊重し合いながら、必要な時は助け合い、分け合える、離れていてもつながっている安心感があること。
その安心感の中で子どもは生きる術を身につけ、これからの時代何があっても、不安なく楽しく生きていけるのではないか、と思ったのです。
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ということで、とっても長くなってしまったのですが、
「森のようちえん あぺるい」は、暮らしを一緒に作っていくコミュニティに変わりました。
これまでのように、お金をいただいてお預かりする、というシステムではなく、
●その日来れる人が、子どもたちの遊びを見ながら、食べ物(お米や野菜)を作ったり、暮らしに必要なモノを自然や体を壊さない方法で作ったり、おしゃべりしたり、子どもと遊んだり、自然の中に遊びに行ったり。
●子どもを預けたい人は、返せるもの(こと)で返す←お金もOK(苗や種代などに使う)
という形になりました。
まだまだ始めたばかりなので、それぞれが心地よく関わりやすいように、これからもいろいろ変化していくと思います。
また今は、これまで森のようちえんに関わっていた家族だけですが、この想い共感する方、興味のある方は、ぜひ親子で参加してみてください♪
もちろん、子どもたちの心から湧き出る想いを大切にすること、自然の中で思い切り遊ぶことはこれまで通り変わらず大切にしていきながら、暮らしを作り、大人も好きなことで遊び、安心して想いを聞き合える場にしていきたいなと思っています(^_^)