おやおや、そんな悲しそうな顔をして何があったのかな?
赤いシャツはお兄ちゃん。チャイルドシートの青いシャツは弟くん。ふたりは兄弟です。
写真は弟くんの隣の席を、絶対に譲ろうとしないお兄ちゃんを捉えたものです。
めちゃめちゃ熱い車の中汗だくになりながら、涙をボロボロ流しながら、周りが止めるのも聞かず。テコでも動かないとはまさにこのこと、という様相でした。
この場に居合わせた私は「またいつものわがままが始まった」という気持ちでいました。このお兄ちゃんは普段から主張の激しい子なのです。
でも彼の泣き叫ぶ姿を見るうちに、なぜだか私はもらい泣きしそうになっていました。彼の弟を想う兄としての気持ちが彼の「わがまま」を通じて伝わってきたからでしょうか。
お兄ちゃんはとっても弟思いの子です。ようちえんに来るときは弟くんのリュックも持って来てくれます。以前私が弟くんに噛み付かれてしまい、それを止めようと肩を叩いた時。お兄ちゃんに「弟を叩くな!!」とパンチされてしまいました。
そんなお兄ちゃんにとって弟の隣というのは、兄として絶対に譲れない場所だったのでしょう。
子どものわがままというのは大人からするとやっかいなもの。でもそのわがままの中にこそ子どもにとって一番大切なものが込められているのかもしれません。
このお兄ちゃんは本当に面倒見のいい子で赤ちゃんを見れば駆け寄って楽しそうにあやしてくれます。そんな一枚。